Geminiの不可思議

2013年最初のバレエがこの演目になるのは判っていたし、
一回の公演だけで満足するつもりもなかったが、
三回ともフルコンプしていまったのは予想外。つか不覚。


「ル・スフル・ドゥ・レスプリ〜魂のため息〜」と、
「ドリアン・グレイの肖像」が目当てだったのだが、他の演目も素晴らしかった。
今回は振り付けをイリ、舞台美術&衣装、そして音楽をオットーが担当するという、
まさにブベニチェク無双なガラ公演。
いやー、自分にとってオットーは「イリそっくりのイリの兄」とか 「刺青ない方」だったのだが
才能があるのだな、オットー。
「牧神」の舞台美術の背景の十字架の使い方とか、お見事の一言でした。
たった4枚の黒い布があそこまで劇的な効果をうみだすとは……!


まずは簡単に印象などを
トッカータ
 「フラジル・ヴェッセル」の3角関係から男同士の友情を抜いて、も一人片思いの男を増やした感じ。
 それは気が多すぎやせんか。4角関係て……。
 ただ、パ・ド・ドゥに割って入る男&踊っている相手とは別の相手に視線向ける女などの
 人間関係の複雑さ&切なさの描写は、やはりいい。
 NYCBに振り付けたとのことで、このテンポの早さ&めまぐるしさは、なるほどなぁと思う。
 やはり、バレエ団やダンサーには個性というものがあり、
 それはオリジナルじゃない人が踊っても、継承されるのだなと思った。
*ドリアン・グレイの肖像
 オットーがドリアンで、イリがバジル&ウォットン卿&肖像画の3役という大活躍。
 原作未読だと内容が付いてゆけないらしく、ロビーやトイレ待ちの行列で、
 友人にフォローをする人々の姿が垣間見られた。お疲れ様ですな。
 肖像のドッペルゲンガー的な恐ろしさというより、
 次元下で一つにつながっている二つの命、のような雰囲気だった。
 ラスト近くで、二人が互いの腕をつかみ、引き寄せ、やがて仰向けに横たわる振り付けは
 細胞分裂を逆回しで見せたかったんじゃなかろうか、などと。
 あ、あと、扉の影からドリアンと女性のいちゃラブをウォットン卿が見てるのが怖かった。
 扉の影からこっそり手が出てるの、3回目でようやく気づいたわ。
 あの女性、役名はシビル・ヴェインになってたけど、実際は何だったんだろう?
ここまで第一幕。
残りは明後日にでお。