「お花見」

色々思い出はございますが、それはおいといて。
本日見た景色について。


目黒川遊歩道。雨はこの時点では小雨といった程度だったので
「どれ、雨に散る桜花も風情であろう」と
時間に余裕もあったのでフラフラしていた。
すると、桜の木からくるくると落ちるものが。
五弁の花弁もそのままの、桜の花。
もはや全国化している光景、雀の花喰いである。
梢を仰ぎ見れば、複数の雀の姿が見え隠れしていた。
桜の花を蕚からちぎって、蜜を吸い、そのまま桜は吐きだしてしまう。
花弁にくちばしを差し入れて蜜だけを吸うメジロ達にくらべ、なんと無粋なこと。
「や〜め〜ろ〜よ〜」と叫びながら木の上を見上げていると、
雀よりずっと大きい鳥が止まっているのが目に入った。
二羽の鳩だ。
雀と同じような生活圏、同じような食性を好む、都会の鳥だ。
その鳩が桜の木で何をしているんだろう、と思って見ていると
鳩の一羽が桜の花の塊の中にくちばしを突き入れて、何やら動かし始めた。
……まさか鳩も花食いを?
そのまま注視していると、鳩は塊ごと、桜を枝から食いちぎって、落としてしまった。
ボトリと遊歩道の人口小川に落ちる桜花。
「あああ、なんてことを」
思わず声を上げてしまう私。
もう一羽の鳩も、桜に頭を突っ込んでぐるぐるとこねくり回した後、こちらは何もせずにくちばしを抜いた。
……なんだろう、今の行動は。
じっと凝視する私に危険を感じたのか、鳩はそのまま飛び去ってしまった。
桜の間に身を隠した(つもりの)雀たちは、せっせと花食いを続けている。
や〜〜め〜〜ろ〜〜、頼むから〜〜。
しょうがないので、コンビニでパンを購入してしまった私だった。
……桜の季節くらいは許されるよな、うむ。


この一連の出来事を思い返してみるに、
雀と同じ種類の餌を食べる鳩は、雀が花食いをしているのを見て
食料があるのかも、と単に真似してみたのかもしれない。
だが、鳩の大きなくちばしでは、小さな桜の花をつまむことができず
花の塊ごろ、食いちぎってしまったのではないだろうか。
エサをやるなと看板は気軽に物語るが、
折に触れイベントで鳩を放鳥しまくったのは人間の方だろう。身勝手な話だ。
特に今年の春は、遊歩道沿いを草刈りだかなんだかで、灌木も含めて全部丸刈りにしてしまい
まさにペンペン草も生えない状態。
鳥たちの飢えはさらに厳しくなっているのだろう。


都民の税金使って草刈って鳥を餓えさせて、なんのいいことがあるのかね、と
花を見ながら思ってしまう千葉島民でした。