オリーブ油が凍る

ある朝、トーストを焼いてさぁ食べようという時にふと気づくのだ。
オリーブ油が凍っていることを。
この現象は、霜柱が立つ日とほぼリンクしているように思う。
イタリアの人はどうやって対処しているんだろう?
気にせず使うのかな?


そして、ほぼ時期を同じくして、庭につるしたリンゴの消費量が増す。
エサがなくなったヒヨドリたちが、本格的につつきに来るようになるのだ。
これは寒さとは無関係に、1月に入ってからの現象のような気がする。


さて、そんな冬の風物詩の鳥たちに、ちょっと異変。
といっても、我が家の庭ではなく目黒川遊歩道の話。
ここは毎年、冬になるとコサギがやってくる。
(ウズラの親玉みたいな鳥も毎年くる。
画像で調べうとササゴイっぽいが、ここ関東だしなぁ)
狭い人工の小川の中で、コサギと鴨の群れがお互いを警戒しつつ
スルーしてえさを探す光景は、割と微笑ましい。
そんな目黒川遊歩道を今日も歩いていると、頭上から聞きなれない声が降ってきた。
ヒヨドリやスズメのような、どこか攻撃的な響きとは違う、甘えているような声だ。
「なんだろ?」と思って上空を見上げると、
鳩と同じくらいの大きさの、鮮やかな黄緑色をした、長い尾の鳥。
もしかして……インコの類?
目黒川遊歩道は、ちょいと歩けば東大駒場キャンパスという名の森があるので、
そのあたりに生息している鳥がやってきてもおかしくはないのだが、
それにしても目黒川沿いをフラフラするようになって、オウムを見かけたのは初めてだ。
樹木の伐採により、鳥が一時的にねぐらを変えることもあるだろうが
このお正月にそれもありえない。
なんだろうなー、と思ってインコたちの動作を観察していると
インコたち、川沿いの大学寮の近くの電線に止まって、大学寮の建物に飛びついて離れの、
タッチ&ゴーを繰り返している。
なーにやってんだ、と近づいてよく観察すると
建物の壁に空いた小さな通気口に飛びついて、中にもぐりこもうとして失敗、を繰り返している様子。
……ははぁ、暖を求めてもぐりこもうしているわけやね。
そら、この冬の寒さは南国産のオウムには堪えるわな、可哀想に。


なんてことを考えつつ、昼過ぎに様子を見にいってみると、もうその位置にインコたちはいなかった。
あきらめたのか、もっとマシなところを見つけたのか。
なんにせよ、東京に野生のインコがいると聞いてはいたが、お目にかかったのは初めてだった。
これはもしかして、増えてるんだろうか。
スズメたちの生存競争がますますつらいものになってゆきそうだなぁ、
インコも桜を食いちぎったりするのかなぁ、などと
色々な心配をしてしまう私なのだった。