天使つながりで2つ

まずは「宇宙人ポール」。
なんで天使かとゆーと、内容がコレだから↓

天使墜落 (上) (創元SF文庫)

天使墜落 (上) (創元SF文庫)

天使墜落 (下) (創元SF文庫)

天使墜落 (下) (創元SF文庫)

画像ないんだな……


リトルグレイ系だけど、やけに人間くさい(としか形容しようがない)宇宙人ポール
ヒッチハイクされてしまったのは、UFO名所めぐり中のイギリス人二人。
ポールの目指す目的地へ送り届ける道中に出くわすのは、
恐るべきアメリカ田舎の文化、当然起きる珍騒動。
追っ手もMIBだったり、キリスト「狂」徒だったりとバラエティに富んでおります。


脚本がきっちり練りこんであって、恋愛あり自己発見あり自立ありどんでん返しあり。
エンターテイメントとして必要なものはちゃんと盛り込んであります。
宇宙人もののお約束も、守ってみたり茶化してみたりで
そのバランスがちょうどいい塩梅です。
元ネタがわかると大笑いできるけど、わからなくても面白い。
一流のパロディってのはこーゆーものですな。
ぐぐってみたら、「真珠の門」が実在する団体でどん引きしました。
そいやスノークラッシュにも出てきてたな。
悪いとこを上げるなら、政府の命令に忠実なだけであろう人物が
二人死んでるトコくらいか? あと万引き推奨。
とはいえ、お正月に仲間で見に行くムービーとしてちょうどいい作品だと思われます。
悩んでいるならroll the dice!


もう一本は「けいおん」。
TVシリーズは見ていたけど、それほど印象に残る内容でもなく、
爆発ヒットするような強力な因子がどこにあるのだ?と首をかしげてしまった。
とは言うものの、嫌悪感もなかったので、たしなみとして見ておくか、の印象。
卒業旅行、後輩へのプレゼント、演奏シーンを入れる、の3題を
キレイにまとめあげた印象ですな。さすが吉田玲子様、ぬかりがありません。
ロンドンで写真を撮るためだけに楽器を空輸する主人公たちに「?」となったが
TVを見ている=主な観客層は「ああ、ロンドンで演奏するんだ」とわかるのでしょう。
その旅行先での演奏も、プロットだけ見るなら無理があるけど
舞台装置(ロンドンの奇天烈な寿司屋、ジャパンフェスの牧歌的な野外ステージ)のおかげで
ありそう感がかなり出ていて、
ロケハン&シナハン真面目にやったんだな、ちゃんと画面に出てるなと感心してしまいました。


あともう一つ、映画を見てわかったことだが
この作品の魅力というのは
「ふつうの女子高生がユルユルな部活してるのに演奏はカッチリしてる」という
ある意味、アニメでしか実現しえない内容なのではなかろうか。
たとえばギターを延々弾くにしても、三次元でやったらどうしても
腕の反復動作の一生懸命感とか、乳酸たまって腕が重たくなったりが見えるものだけど
アニメの彼女たちは、そーゆー痛々しさがカケラもない。
それは観客側にも言えることで、
朝の光が照らす中、教室の机寄せ集めたステージライブで熱狂なんて、
実写でやるとかなり白々しい絵になるだろうし、
ステージと観客の距離感のなさすぎ感がそのまま重たく画面に反映されるだろう。
しかしアニメは、絵に描いたモチは、
そーゆーものをサラリととっぱらってくれるのだ。
な〜るほどな〜、これが魅力の一つか、と感心してしまいました。
要するに、すたじおぴえろ魔法少女21世紀版だったわけやね、「けいおん」。
ちょっと納得してしまいました。


というわけで、今年の映画はこれで見納め。
来年はどんなものをやるのかなとポスターを眺めてみると
オペラ座の怪人のステージ中継」とか「ピナ・バウシュ」とか
どんどんステージ系コンテンツが増えてゆく勢い。
この調子でもう少しバレエ系コンテンツが増えないものでしょうか。
それにしても、ピナ・バウシュ……日本で客入るんか?