ホワイト・バレンタインの翌日でございます

リア充は爆発しろ、雪道でコケろ、傘の骨が折れろ。
などと呪いをふりまくことも忘れて、降雪に見とれてしまったヲイラでした。
都会には都会の、田舎には田舎の雪の美しさがございますな。
桜、花火、紅葉、そして雪見。やっぱ日本は楽しいトコだ。


さて、そんな2月の晴れた日に、自転車で旧街道をかっ飛ばす。
民家の塀の向こうの黄色い花の咲いている樹木が、視界の隅っこをよぎった。
「梅かな、いや黄色い梅というのは聞かない……」
などと思いながら通り過ぎた直後、鼻孔が甘い匂いを嗅ぎ取った。
「おぉぅ?」と思った直後、その甘い匂いは猛烈な勢いで一気に嗅覚を支配した。
「え? なんだコレ?」と、快感よりも違和感を感じてしまうほどだ。
なに、なんなの、と左右をキョロキョロしてみるが匂いの源らしくものはなく、
そもそも自転車で移動しているのだからあたりの景色はどんどん流れてゆく。
ここに至ってようやく「さっきの黄色い花か?!」と思い当たる始末だった。


後に調べてみたところ、あの樹木はロウバイだった様子。
ttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%82%A6%E3%83%90%E3%82%A4
ああ、また庭に植えたい樹木が増えてしまった。
(その前に庭を手に入れろ。正確には庭付きの家を手に入れろよ自営業者)
ま、それはともかく、このロウバイの件で感じたことがある。
天然の香りは、ミドルノートなのだな。
香水売場でハッと立ち上がりこちらの注意(と購買欲)を惹く、シトラスやフローラル系のようなトップノートの香りではなく
パチュリーや乳香のような、伝わるまでワンテンポかかる代わりに
気配がしばらくの間鼻孔に残っている、ミドルノート系だということだ。
「そりゃ樹木系はミドルノートでしょ」というツッコミもあろうかと思うが、
春に咲くレンゲ、夏に咲くゴーヤもやはり、鼻孔で感じた瞬間から少しの間を置いて、
一気に甘い香りが伝わってきた記憶がある。
そして考えてみればトップノート系は、拡散早い=蒸発が早いのだから
そんなものガンガン漂わせていたら、植物の方が干上がってしまうわな。
うん、実に道理。

もう少ししたら、あたりにミドルノートが溢れる季節がやってくるのだなぁ。
待つといたしましょうか。