ヒヨドリとメジロ、来訪者

12月ごろから庭先にリンゴを吊しておいたのだが
「ちょっとつっついてみましたよ〜」程度でなかなか減らない。
今年は暖冬だからかなぁ、などと思っていると
1月初旬あたりからつつき具合が大きくなり、
2月に入ってからは猛烈に減るようになってきた。
天然のエサがなくなってきたのだなぁ。
我が家の猫はともかく、野良にゃんに気をつけておくれ。


先日、目黒川遊歩道をフラフラしていた時のこと。
スズメがわざとらしく視界を横切るので、ふと思い立ちパンを購入してみる。
試しにちぎって投げてみると、案の定パタパタと集まってきて
「ああ、こっちも天然のえさがなくなっているのだな」としみじみ。
そんなスズメたちの様子を見てとって、ヒヨドリがパラパラとやってきた。
スズメとヒヨドリは共生してエサをつついているのだが、
そんなヒヨドリとスズメを見てとった鳩が集団でやってくると、
スズメは草陰や植え込みの中に逃げ込んでしまう。
「あらまぁ」と興ざめし『鳩にエサをやるな』と注意書きもあることなので、
「んじゃおしまい」と歩きだそうとした時に、想定外の鳥がやってきた。
鳩よりさらに大きい、都会ではおなじみカラスより大きい、真っ白なコサギが、
鳩を追い散らすように降下してきたのだ。
たちまち逃げ出す鳩たち、思わずポカンとする人間。
コサギはこちらの様子をうかがいながら、長い足をひょこひょこ動かして植え込みを歩き回る。
「もしや……?」と思いパンをちぎって、遊歩道に作られた人工のせせらぎに投げ込んでみると、
おお、コサギがせせらぎの中に足を踏み入れてパンをつついて食べてしまった!
サギって、ドジョウとかザリガニとかの動物系タンパク質を食べるんじゃなかったっけ?
穀類を食べてもいいんだろうか?
でも、毒になる食べ物なら、自分からつつきに行かないだろうしなぁ……
とりあえず、コサギのおかげで鳩がこなくなったので、
スズメにパンを投げつつ、コサギもせせらぎにパンでひきつけて牽制し、と
シュミレーションゲームのようなエサやり行動を取った人間であった。


考えてみればスズメが盛んに桜をついばむようになったのも、ここ数年の行動なのだし
コサギがパンを食べるようになったのも、エサが減ったことによる新しい習性なのかもしれない。
そもそも、かつてドジョウが生息し米が実っていた田んぼも、米作が普及したからこそ生まれた環境なのだから、
これはこれで、目を剥くほど異常なことでもないのだろう。
……桜を食い散らすのは勘弁してほしいんだけどな……