細田守はキチガイ家屋と手を切れ〜サマーウォーズ雑感〜

「ぼくらのウォーゲーム」はＤＶＤで視聴済みのクチです。
確かワンピ映画公開の直前あたりに。
あと「少女革命ウテナ」もほぼ観ているので、
キングカズマの集団暴行されっぷりに
「ああ、千の剣てこういうコトがやりたかったのかぁ」と納得しました。

ネット上で公開されていた冒頭５分のトレーラー（アバンタイトル）のＯＺが
ねぇよｗｗみたいなレベルの『スーパー』ヴァーチャルリアリティだったので
このまんまで終わるこたあんめぇ、どうひっくりかえしやがる、と思ったのが見にゆくきっかけ。
……『スーパー』ハッカーが暴れ回る映画でした。だめだこりゃ。

ＯＺの世界観について、あらわし（はやぶさ）の機能について、等々
各方面からのリアリティなさすぎに対するツッコミは山のようにあるようなので、
それは専門のヒトにお任せします。
個人的には地方住まいの人からの
「駐車場はどこにあんだよあの家！」とツッコミがないのが不思議です。
……結局、一事が万事そういう映画だよねぇ。
現実を舞台にしているようで、ものすごく設定がご都合主義。エロゲ並み。
あのほのぼの大家族は、１２人の妹よりリアリティがない。

以下、自分的につっこみたいコト。
まず、あんだけ大きな家屋なのに、遣り水も石灯籠も庭木もないってコトは
東大留学ダメ男が資産を食い潰した時に、維持ができずに潰した＆売ったことでよしとしよう。
で・も・さ、倉がないのはどうなんでしょ？
壊すのにも金かかるよ？もちろん売れないし。
あとさぁ、警視総監だの大臣だのにタメ口利く割に
（せめて県知事とか、××村の消防団長とか、そういうレベルにしときゃいいのに）
かつて家来だった人たちの気配がカケラもないよねぇ？
少なくとも、明治以降は生糸で成功したという設定だから（女工哀史！）
だったら門前に、使い走りとか細かい用事を承る系の人たちの家が必要だよねぇ？
資産が潰れて人口も減って、その人たち的存在がもういないとしても
そこに家屋があった形跡くらいは残ってるよねぇ？
形跡といえば、あの敷地の中に母屋１つだけってのもフシギだよねぇ？
一族の中には誰かしら結婚できなかったり、結婚はしても所帯を持つ甲斐性がなかったりで
そういう一家を住まわせるための別棟が、門から母屋の間にあるモンだよねぇ？
……都会のサラリーマンの子供でも、この程度のこたぁ知ってますけど？

ＷＥＢ上で見かける「カズマが女の子だと思ってた」意見の原因は、
ヒロインにあまりに好感を持てないからだと思う。
クライマックスの花札で勝ったこと以外には
やることなすこと、褒めるとこが何ひとつ見つからないという難しいキャラでした。
ビッチという単語がこれほど似合うキャラもそうはいない。
「アタシは誰からも愛されガール☆実家は名家（外孫だろ）☆
ひいおばあちゃんももちろんアタシが一番大好き（いやあの東大ダメ男だろどう見ても）☆
アタシがカレシを連れていけば病気も治るわ☆つまりアタシそのものが薬？ミャハ☆」って
なんかこう殺っちゃっていい？なレベルだろうコレ。
そもそも高校生のくせに同じ学校の生徒に金払って嘘をごまかそうとしてるあたり、
いったいどんな育て方をされたのかと。
こういった設定一切抜きにしても、大抵の人がアバターに動物キャラを選んでいるＯＺで
自分そっくりのアバターを設定しているというあたりに
隠しきれない自己愛っぷりが透けて見えてます。
部活（剣道部とかいう設定何の意味もなかったですね）でも
クラスでもその言動にうんざりされていて、
しょうがないから非モテの多そうな物理部にアタリをつけ、
下級生を金で釣ったという裏設定があるとしか思えないです。
かの有名な下級生２のメインヒロインというのは、こんなキャラなんでしょうかね。
ダメといや東大留学ダメ男もすげぇよなぁ。
種明かしのためとはいえベラベラとラブマシーンのこと話すなよ。
米軍と守秘義務の契約結んでるだろどう考えても！
……このダメ人間大集合の中では、キングカズマのウサ耳が
ツインテールにも見えて来ようってなもんですよ。

ＯＺの映像や、旧家の薄暗さと夏の芝生を写し取った美術だけが見所で、
アニメ映画としてよくあるパターンだよなぁ、とイライラしながら
ふと思い出したのが「メト□ポリス」。
ひたすら画面を描き込むことだけに特化して金をかけまくった結果
誰のキャリアにも記憶にも残らず多大な負債を作った映画。
結果としてサマーウォーズは、典型的なマッドﾉヽウス作品
〜作画さえよければシナリオなどどうでもいい主義を信奉する集団のこさえたシロモノ〜
……になってしまっている。

どういう事情があるのか存じませんか、二作品続けて同じ会社と組むこたぁないんでないの。
このままその集団に染まった先に待ち受けているのは
りんたろうや大友克洋ですよ？　それが望み？

リンク先は村上隆と細田監督の対談。
村上隆やはり頭がいい。金の儲け方と使い方の両方を心得てやがるぜ。
http://www.yomiuri.co.jp/entertainment/cinema/topics/20090803et01.htm
http://www.yomiuri.co.jp/entertainment/cinema/topics/20090803et02.htm