バイバイ、ハーゲンダッツ

運動せねば!と青山通りを徒歩で北上する。
この通りはピ工ール・工ルメとかゴ〒゙ィバとか紀ノ国屋などが点在しており
ダイエットな身の上的には目の毒なルートなのですが
大荷物を持たずに帰宅するこの機会を逃す訳にはいかないのですよ!


脇目は振るけど立ち止まらずにせっせと歩いて、
外苑西通りとの交差点へ。
ここにはハーゲンダッツがあってこれまた目の毒……
……おや?

あれれ?

ちょ……へ、閉店ですか?
何の兆しも見せずに、いきなり?
いいの?それで?


と、いうのも、ここ青山のハーゲンダッツは、
日本のハーゲンダッツ発祥の地だからだ。
今でこそ全国津々浦々のコンビニ・スーパーマーケットの棚をくまなく彩り
ちょっと高めのアイスの定番の地位に鎮座ましますハーゲンダッツ・アイスクリームだが、
日本に上陸した最初は、この青山一店舗でしか食べられない、
幻のプレミアムデザートだったのだ。
本場の材料を本場のレシピで作ったその味は
当時の日本の既成アイスとは比較にならないと大評判、
いつ行っても人が並んでいて一時間待ちは当たり前、
(2008年的な視点で見ると、
クリスピー・クリーム・ドーナツに近いポジションだと思う)
そうやって日本中にそのブランドを知らしめたハーゲンダッツ
やがて直営店舗を増やし日本の企業と連携して小売市場に乗り出し、
その結果、日本の氷菓市場の地図はみごとに書き換えられてしまった。
(ハーデンダッツが来る前は、高級感のあるアイスつったら、
ロッテのレディ・ボーデンのバルクか、エスキモーのビエネッタくらいだった)
他にも、ハーゲンダッツのミニカップが世間に浸透した結果
他のメーカーがミニカップ&高級アイス市場に乗り出したのも
ハーゲンダッツが日本氷菓に与えた影響の一つだと思う。


とにかく、そうしたことすべてが、
この青山の一角で始まったのだ。
その店舗の歴史の幕があまりにもあっさりと、
そして人に知られることなく降りようとしている。
ちょっと寂しくないかなぁ……
自分自身は、ブームの真っ最中も、それ以降も、
ちょくちょくこの辺を通りかかるようになった最近も、
とうとう一度もこの店舗に入ることはなかった訳だけど。
……いやだって、高カロリーだし……

でも、こんなことなら
いっぺんくらい入っておくんだったなぁ……



バイバイ、ハーゲンダッツ青山店。
バイバイ、プレバブルのアイコン。