自分オンアイス

必要があったのでアイススケートリンクへ。
実家の近くに最近できたらしいので東京遠征ではなく下り方面へ。


一時間に一本のバスの終点で到着。
目の前が海という素晴らしいロケーションに感動する。これはいい。
「手袋しないヤツは滑ルナ(・∀・)!(大意)」な張り紙に
軍手持ってきて正解だったと思いつつ入場料と貸し靴チケット購入。
「着替えはどこでするんですか?」
(だってこの暑いのに長袖着てらんないし氷の上は寒いし)と聞いたら
「選手控え室2という所を使って下さい。カギをかけて」と言われる。
なんだか高校時代に、体育館の狭苦しい音声屋を女子部の着替えで使ってた頃を思い出すなぁ。
ちなみに男子は体育館の二階部分についている手すり部分を利用していた。
今にして思えば丸見えだよなぁ。改善されたんだろうか、あの環境。


さてさて、無償で貸し出されているプロテクターを膝に装着して、
おっかなびっくり氷の上へ。
…………あ、歩けない。さっぱり歩けない!
いやまぁ、氷の上に出るのは多分25年ぶりくらいだが、
それでも10分くらい後には動けるようになった記憶があるのだが。
そろそろと手すり……がないのでリンクの壁を伝い歩きしていると、
通りすがりの方から助言をいただいて恐縮する。
いやまぁ、夏休みとはいえ平日の午後だから
リンク上で滑っているのはフィギュアのちびっこだったり、
マイシューズを持ってるある程度すべれる人ばかりで、
その中で自分はさぞや異質=目立ったに違いない。
それでも30分ほどで、なんとか滑れるように。
1回派手に転んだけどな!
意外だったのは、しばらくすると汗ばんできたこと。
氷の上で汗をかくということは、実際は結構な運動量なのだろう。
ふむ、思わぬカロリー消費でラッキー。
だがその弊害(?)で、足がだんだん重くなってきたので、適当なところで切り上げて見物人化。



軽々とバックですべるカラードの男性(アフリカ系カナダ人とかに?)や、
子供の手を引く父親の親子連れが周回する中、
氷の中央では練習着姿の少女たちがスピンを描いている。
ふと、浅田真央と某半島のナントカ云うスケーターを
TV局がライバル対決とかいって煽っていた頃のTV番組を思い出す。
某半島はリンクを貸し切って天井吊したロープに補助されてジャンプの練習をしていたのに対し
浅田真央は一般客に混じって練習していたっけ。
この国のフィギュア事情は過酷だな、としみじみしていると、
「氷上整理をしますのでリンクから出て下さい」のアナウンスが。
さぁお掃除メカ登場ですよ、とワクワクしていると、
係員らしき人が数名滑り出て、リンク上のコーンなどを片づけ始める。
そのスピードが早い早い!
てゆーか片づけるふりして滑ってないか!
手に何も持たないままそれで何周目だ君は!
観察すれば、その滑り方は明らかにフィギュアと違ってスピードを主目的とするもので、
足下のスケート靴の作りも、何となくいかつい。
もしかしてアイスホッケーとか、スピードスケート系の競技の関係者なのだろうか。
これだけスピード出して動き回るのなら、
一般客が居る時間には絶対に練習はできないなぁ。
……かくてここに、フィギュアスケートより過酷な環境の人々、発見。


氷上整理の巨大な車がリンクの上を器用に動き回るのを
ワクワクしながら眺めていたら、
同じことしてんのが小学生以下の子供ばかりなので、さすがに反省。
でも、排気ガスとか出てなかったし、モーターの駆動音から見て
あれは充電式だよね、などと、
ちゃんと大人として見るべきトコは見てますから!


やがて氷上整理は終了したが、足が重いのでそのままリタイア継続。
男の子も交えたフィギュア練習を見ながら
も少し北にいけば事情は違うかもだけど、
今度は人口が減って競技者の絶対数が少ないよな、などと思っていると、
リンク脇のテラスの窓から夕日が差し込んでくる。
ふり向けば海の向こうに夕日を浴びた富士山のシルエットが!
なんとまぁ、いい絵だ!
そして窓から差し込む夕日がリンクの白い壁に横長の鴇色の枠を作り
その中を横切ってゆく、無心の表情のフィギュア選手の卵たち。
こっちも絵になるなぁ。
こんだけキレイな景色が、誰に知られるともなく毎日繰り返されているのだなぁと
世界の美しさの潤沢ぷりにちょっと感動したりして。



んでバスに乗って帰るべく、バス亭でほけーと風に吹かれていたら、
小型車から練習着の女の子が、スケート靴のまんま降りてきて
自然に建物の中へ入ってゆきました。小型車は駐車場へ。
……まぁ、この距離だけなら靴に履き替えるのも面倒だろうな、などと。


とにかく、興味深い体験をした一日でした。
また行きたいけど、さすがにあんだけ目立つと気がひけるなぁ。