おいしい水を求めて・その2

おのれ国家神道

(昨日のあらすじ)
明治神宮で迷子


ウロウロしている間に「明治御苑」なる看板を発見。
あれ、いつの間に新宿三丁目を通り越して――いや、それは新宿御苑ですよ。
どうやら有料の庭園があるようです……って、
な、なにぃぃ!
その有料の庭園の中に「清正の井」がありやがりますよ!
金払わなきゃ水が汲めねーですか!
しかも入場料=500円!ナニソレ!
ペットボトル5本持ってこないと割に合わないですよ!
初詣客であれだけ集金してまだ足りないのか!
散歩の達人」のウソつき〜〜!
東京都も、お金を払わなきゃ見学できない物件を
「名湧水57選」に入れるのはどうかと思いますよ。
ああもう、何しにきたんだか!


ただ、この「明治御苑」への入り口がある参道は、
道の両脇に背丈のある樹木がスッと空に向かって立っており、
いかにも「由緒ある神社の参道」といった雰囲気。
心なしか、空気の中にも身が引き締まるものを感じます。
(いや単に、湧き水が近い=あたりの湿度が高い、ということなのかもしれない)
西からの参道で拍子抜けだったのに対して、こっちはアタリを感じました。


西洋の宗教画の手法だったか、教会建築の手法だったか
由来をはっきりと覚えてはいませんが、
「上下に長い風景は、時間の観念がないから、宗教的な描写に向いている」と
どこかで教えられたように思います。
上下に長いということは、横幅が狭いということで、
つまり移り変わる地上の様子が見えないから、なのだとか。
言われてみれば、ステンドグラスはみんな縦長だし、
ヤコブの梯子」のエピソードなんて、まさにハシゴが降りてきた瞬間、
周囲の景色なんてアウトオブ眼中になった訳ですな。


こっちの参道をおごそかに見えるのは、
この屹立する木々の影響かもしれない、などと、
心地よい冷ややかな空気の中で思いました。