伸びた枝をなぜ刈るの?!

ヒヨドリの声が目立つようになったここ数日
やけに喧しいので、声のする方に目をやると
公共施設の外周に植えた木立の中で、
数羽が追いかけっこ&場所取りを繰り返しているのが見えた。
……いつの間に、あんなに増えたのだろう。
ヒヨドリは渡り鳥ではないはずだが、季節ごとにねぐらを変えたりするのだろうか。



なんてことを考えながら、屋外に出た今朝、
玄関先の散りかけの楓の梢の中で、動くものが。
見ると、スズメサイズの小さな鳥。だが、背中が若草色。
メジロだ。それも二羽。
これまた稀人ならぬマレドリだ。
少なくとも春〜夏の間は見なかった。
メジロ二羽は、こちらの視線に怯える様子もなく、
楓の枝の中をチョン、チョンと移動している。
……ああ、このメジロは春先までうちの庭先にいたメジロだな。
これもやはり、季節が移ったから(そして食料がなくなったから)
こちらに移動してきたのだろうか。
しょーがねーなーもー、と思いながら、リンゴを一切れ
庭先に吊しておいた。
蝶はいなくなり、蜂も姿を消してしまったけど、
冬には冬の楽しみがあるのだなぁ。


……なーんてことを思っていた数時間後、
公共施設の方でガチャガチャと金属音がうるさい。
何事だろうと覗いてみたら
……ヒヨドリたちが群れていた木立の枝を落としてやがる〜〜〜〜!
今の季節になっても色づく気配のない、おそらく常緑樹なのであろう木立は
太い枝を切られ、葉を落とされ、みるみるうちに丸裸にされてゆく。
剪定されるというより、毛をむしられて焼き鳥にされる直前ような有り様だ。
やがて、ほんのわずかの……数えることが可能なほどの葉を枝先に残して、
ガチャガチャと脚立を片づけながら業者は引き上げていった。
ヒヨドリたちの気配はどこにもない。
残されて呆然とする自分。


こうした、街路樹や公共の場所の樹木が剪定されたのを見て思うのだが
あそこまで丸坊主にするのは、正しいことなのか?
樹木にとっていいことなのか?
毎年剪定すると費用がバカにならないから、数年おきにやってきて、
死に体同然の丸裸にしてるんじゃないのか?
そもそも、日照権だ枯葉が落ちてきて掃除が大変だと
ガタガタ抜かしやがる個人宅同士でならともかく
道路に面した街路樹や公共施設の樹木くらい、
高く育ち放題、枝を伸ばし放題でいいじゃないか!
なのに、「出る杭は叩きますよ〜、伸びる木は切られますよ〜」と
まるで世間からの無言のプレッシャーのように!
こんなショボクレた緑しか知らずに大きくなった子供が
どうして物言わぬ自然に敬意を払う価値感覚持てようか!


カラスとか、スズメとか、野良猫とか、植物とか、
利権と関係ない生き物にはとことん無関心だよな、世間というシロモノは。
口兄われてしまいなさいマジで。