酒もタバコもギャンブルもやらないが

同じくらい中毒性があり、
きっぱり縁を切った方が経済的にも精神的にも良いとわかっていながら
やめられないものがあるのです。
それが猫。
ああ猫。正確には猫たち。
お前たちのせいで私は良き社会人を失格し、
ケガしたりカゼひいたりして私を頼ってくるお前達のために払った金は
とっくにパソコンを買い換えられるくらいの金額に達しており、
お前たちのエサのことを考えると長期の取材旅行にも行けず、
仮眠しようと寝入った矢先を、
「エサよこせー」「たいくつだからあそべー」と
コール代わりに玄関のロック用チェーンに戯れる音で起こされ、ストレスが溜まり
そもそもこの年齢の女性が猫に夢中というそのステロっぷりに
自分で自分に吐き気を催してしまう。
ベタにもほどがある!
意外性も何もない!


だが、猫が部屋の片隅でのびのびと寝ているその姿、
しなやかな毛皮が描くゆるやかな弧は、
まるで私の部屋にかかった、奇跡の美の虹だ。
その美しさを私の部屋に召還できるのなら、喜んでダメ人間となろう。